ZWIFTレースのカテゴリをどうすればいいか真剣に妄想してみた
前回エントリの「ZMP」を作るきっかけになったZWIFTレースのカテゴリに対する不満。
自分の中でこうしたらいいんじゃないの?というのはあります。
「言うは易し行うは難し」ですし、何年も前からフォーラムでも意見出ている中で極東の1ユーザーが言ったところで変わるものではありませんが、考えるだけでも面白いものです。
※メインは「5 動的なカテゴリ振り分け」です。文字だらけで長いので
目次
現在のカテゴリ制度の問題
まずは現状の問題点、とっても…たくさんあります。
カテゴリ基準が粗く脚力別になっていない
20分PWRのみによるカテゴリ分け(ZwiftPowerは20分Wattsもちょっと加味)と言うのは、ざっくりすぎてで脚力をあらわしているとは言えません。
ヒルクラだらけならともかく、平坦基調~アップダウンコースが中心のZWIFTレースでは、重量級・短時間型の選手が圧倒的に有利、軽量級・長時間型は不利になります。
「わかりやすい」という大きなメリットはありますが。
カテゴリ範囲が広すぎて下位選手にチャンスがない
特にAカテは、下は速い一般人~数値的にはプロと遜色ないS級妖怪までが同じカテゴリ。
まあ、下位選手に厳しいのは仕方ないと言えば仕方ない。乗り越えて強くなれと言うスパルタな意見もわかります。
でもね、みんなそこまで強くなりたくてやっているわけでもないのです。
健康維持が目的そんなノリでもレースを楽しめる、レースを楽しむことが続ける動機付けになる、そんな世界(ワトピア)であってほしい。
「カテゴリ基準が粗い」問題と相まって、小柄な日本人はそれなりに乗り込んでいるとA/B境界に集まる傾向があるので、辛い思いをしている人多いんじゃないでしょうか。
過少申告によるカテゴリ詐欺
エントリーが自己申告ではカテゴリ詐欺が蔓延するのは当然です。
批判する声は多いですけど、まあ不毛です。こういうのは仕組で解消しないと。
ZwiftPowerのレース後にフィルタすると言うアプローチは外部サービス(当時)できるベストですし、これがZWIFTERの認識の中心になったことは多少の健全化につながったと思います。
全カテゴリ混走は上位カテしがみつきの我慢比べ
レースの発走には「全カテゴリ混走」か「カテゴリ毎の別走」の2つがあります。
(間を取って混走で時差スタートなんてのもありますが)
混走の場合、Bカテゴリ以下は少しでも上カテゴリの集団についていき、苦しくてもひたすらしがみつき、吐きそうになってそれでも必死にしがみつく!
これが上位入賞の最適解になります。
私はコレで鍛えられました。ZWIFTレースの洗礼、そういうものです、うん仕方ない。
でもさ、私は競技はおろかヒルクラ大会にも参加しない勢なので実体験としては知りませんが、TVで見るロードレースにはいろんな日があります。
せっかくの事故のないバーチャルレース、逃げを仕掛けたり、積極的にアタックを潰しまくったり、スプリンターを振り落とすために牽引に加わったり、セレクションを掛けたり…と展開を動かす気持ちよさを本当に強いたちだけのものにするのは勿体なすぎる。
カテゴリ毎の別走はさみしくなることが
一緒に走る選手が1/4になるのだから、参加者が少ないと寂しくなってしまいます。
カテゴリ詐欺がなければ、混走よりレースが面白いものになるはずですが。
さて、これらをできるだけ解消する方法がないか考えてみましょう。
基準にするのは各時間帯のWattsとPWRによる総合力
ZMPがコレです。
20分、5分、1分、5秒(or 15秒)のデータをかき集めて、
平均値やら中央値やらZwiftPowerの50%ラインやらから、
基準値を決めて偏差値化して、レースでの重要さに応じて重みづけした指標。
簡単に言えば戦闘力、超人強度。
ドラゴ●ボールやキ●肉マンと同じで、ある程度の基準でしかないけど、
今の20分PWR(+Watts加味)よりは遥かにバランスの取れた基準になる。
公式ならデータも潤沢なので、全プレイヤーのデータから妥当なものが作れますし、
自動的に算出して、レースエントリ時に自動振り分けすることもできます。
ないものの名前を考えるのも面倒なので、ここではZMPとして話を進めます。
ZMPによるカテゴリ自動振り分け
いくら批判したところで自己申告ではカテ詐欺はなくなりません。
そんなわけで自分でカテゴリを選択するのではなく、システムによる「自動振り分け」一択。
ZMP出せない新規の人をどうするかという問題がありますが、それについては最後の方でフォローします。
ほとんどのカテゴリ詐欺は、無自覚や甘え、現状への不満でしょう。
手の込んだやり方をすれば詐欺れますが、そこまでやる人はフラグ対応でいいでしょ。
カテゴリ毎の別走
脚力がかけ離れた人が一緒では、いろんな展開を多くの人が体験することはできません。
よって「カテゴリ毎の別走」一択です。
動的なカテゴリ振り分け
さて、これが本番。
長~短時間帯のPWRとWattsを基準にしてもやはりカテゴリ底辺はきつい、またカテゴリ毎の別走の過疎化リスクをどうやって解消するか。
自分なりに考えてみました。
レース主催者がカテゴリ毎の想定人数を指定する
まず、主催者はレース登録時にカテゴリ毎の想定人数を決めます。
(例)ではわかりやすくするため5名~にしていますが、実際は下限15~25名が妥当でしょう。
30分前にカテゴリ構成を決める
レース開始30分前時点のエントリー者と想定人数から、カテゴリ数と基準を決めます。
(例)では5~10名/カテゴリ、エントリー者が20名なので3カテゴリ、余りの2名は上カテから振っていく。
各カテゴリのエントリー者のZMPの平均から、カテゴリ名(A/B/C/D)を決めます。
人数が多ければ「A1」「A2」…と枝番カテゴリを作り、例のように少なければ一部のカテゴリがないという構成になります。
また、ここで各カテゴリのZMP範囲も決めてしまいます。
JOINでカテゴリ自動振り分け
レースにJOINしたタイミングで、決まったカテゴリ構成に応じて自動振り分けします。
(例)の66(A/B)や46(C/D)のような境界ZMPは、あえて両カテゴリの範囲にしておいて、レースJOIN時に人数が少ない方に振り分けます。
動的なカテゴリ振り分けのメリット
問題点としてあげた「カテゴリ基準粗い&範囲広すぎ」「カテ詐欺」「我慢比べばかり」「過疎化」はほぼ解消できるんじゃないでしょうか。
動的なカテゴリ分けなので、ほとんどの人はカテゴリの中で下位のこともあれば上位のこともあります。
厳しいペースで我慢比べを強いられることもあれば、余力があって逃げたりセレクションを掛けたりと積極的に動けることもある。
出走者が多ければ多いほど脚力が拮抗するので、脚質とコースの相性や展開、駆け引きといった要素が重要になる。
考えただけでワクワクする。
デメリットと課題
わかりにくい
最大のデメリットですね。
エントリーした時点ではどのカテゴリになるのかわからない。
新規の人は「そういうものね」と受け入れてくれるかもしれませんが、これまでに慣れている人からは「俺AなのにどうしてBカテなんだ?」とか「間のCがないとかわけわからん」となりそうな気がします。
妄想するだけならともかく、現実問題として「変える」というのは大きなリスクがあります。
従来のやり方も選択できるようににした方がいいと思いますが、余計にわかりにくくなりますね。
実際の出走者数が読めない
30分を切って大量のエントリーがあったり、DNSが大量に出ると想定人数とかけ離れてしまう。
前者は人数が多くなるだけなのでいいとして、後者でAカテ9人いるのにBカテ2人だけとかはなんとかしたいですね。
対応するなら、1分前に想定人数の半分を切っていたら別カテゴリに合流させるとかかな。
残るカテゴリ詐欺
JOIN後の体重変更で詐欺れることでしょうか。
これはレースにJOINしたら終わるまでロックするようにすればいいでしょう。
新規参入の人は暫定ZMPで
ここからはおまけ。
自動振り分けのところで少し触れた「新規の人」をどうするか。
いくつかのパターンを想定して、暫定ZMPを発行するのがいいかなと思います。
実走でパワメを使っている人
パワーデータがあるなら入力してもらうだけ。
誤差はあるでしょうが、暫定ですからね。
STRAVAで実走セグメントの記録がある人
本気で走ったセグメントをいくつか登録して、その推定パワーから算出。
1つに絞るなら5分パワーかな。
5分推定パワー入力する仕組みさえ用意すれば、STRAVAセグメント記録からの推定5分パワー算出は、公式が作らなくてもきっと世界中の有志が作ってくれるはず。
パワーデータ・実走セグメント記録がない人
カジュアルサイクリングだけでSTRAVAに登録していない人、
本気で走ったことがない人、ZWIFTから入った人や他競技のトレーニングとして導入した人。
我が家にもジョガーからZWIFTERにジョブチェンジしたお方がいます。
SNSやZwiftPower見ていると、ほとんどいないように思えてしまいますが(特に日本人は)
見えないだけで、少なくとも潜在的にはかなりいるはずです。
商業サービスとしてはこういう層こそ大切。
叩かれがちなZPOWERをキープしていること、厳しい制限に消極的なことからZWIFTさんもそう考えているはず。
話が逸れましたがパワーやそれを直接推定する要素がない以上、対話式で体格や筋肉量・スポーツ経験等から判定するしかありません。
そんな層のデータなんてあるの?って感じですが、我らがNICOのボスがブログネタにしていたり
ちなみにうちの奥様はZWIFT始めた当初FTP1.7倍でした。
女性で筋力がなければ~1.5倍、そこそこなら1.5~2倍、他の競技経験者なら2倍~とかそんな感じでしょうか
あくまでも暫定なので
1レース終わって暫定より高ければアップ、3~5レース消化したらそのデータで暫定でないZMPに移行します。
成績による補正
ZMPはあくまでもパワーデータによる基準、実際の強さにはインターバル耐性やZWIFTテクニックも大きい。そんなわけで成績による補正があってもいい。
とは言え10人以下の過疎レースと、50人100人の参加者のハイレベルなレースじゃ価値が違いすぎるので「3勝したら+1扱い」とするわけにはいきません。
参加者の実績によりポイント配分が決まるZwiftPowerのRank(Gain)制度はよく出来ています。
ZMPとRankを紐づけて基準Rankより50以上小さければ+1、100以上小さければ+2とかそんな補正をかけてもいいかもしれません。
ほかにもこんな機能が欲しい
チームTTモード
レースにチームの概念を取り入れてチームメンバーだけドラフティングが効くというもの。
グランツールよろしく、ステージレース的なイベントをやるならチームTTもやりたい。
予約チャット
コンパニオンアプリで、事前にテキストを登録しておいてボタン一つでチャットできる機能。
これでギリギリの状態でも三味線チャットで盛り上がれて、駆け引き度が増して楽しいレースになること間違いなし。
ミートアップ主催者にとっても便利になりますし、参加者でも「Front Slow」とか声掛けをしやすくなります。