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カステリの秋冬装備とGORE-TEXについて

3年振りのブログ更新、皆さまご無沙汰しております。
私は元気です。いや、正月早々ひどい風邪で寝込んでいたのであんま元気じゃないか…

仕事&体調的な事情で、ZWIFTレースやHZM/NICO活からは遠ざかり低強度オンリーになりましたがZWIFTは続けています。実走も峠やロングライドはしなくなりましたが、週末は荒川らへんをポタポタ走ってパン食ってます。ストイックさはゼロで、完全に趣味と健康のための自転車生活ですね。

自転車用品の購入も減りましたが、この秋冬はカステリのウェアをいろいろと入手してしまいました。
Gabba/Perfettoシリーズは以前から気になりつつもお高めのお値段に踏ん切りがつかなかったのですが、中古入手でお試しを繰り返し気づけば7点になってしまったので、せっかくなので記事にしようと思います。

GORE-TEXについて

カステリの秋冬ウェアの多くに使われており、高性能とされる理由でもある「GORE-TEX」について重めに触れておこうと思います。
※このあたり、専門家ではないので間違い等ありましたら指摘お願いします

GORE-TEXについて

GORE-TEXと防水透湿性素材

「GORE-TEX」はゴア社の提供する防水透湿性を持つ生地で、主にアウトドアのシェル(防水・防風を目的として1番外に着るジャケットやパンツ)やレインウェア、スノーウェアに使われています。防水透湿性素材というのは、水(雨)や風は通さず水蒸気は通す性質を持たせた素材で、これにより雨風は防ぎつつ汗による蒸れは逃がすことで、プロテクション性と快適性を両立させることができます。防水透湿性素材自体は、いろいろなウェアメーカーや素材メーカーが開発しています(patagoniaのH2No、モンベルのDRYTEC、ポーラテックのネオシェル、ミレーのTyhon... 等々)
しかし、その中でも「GORE-TEX」は圧倒的な評価と信頼を得ており、ウェアメーカーも独自素材の製品を展開させつつも、GORE-TEXの製品もラインナップさせるという状況です。

防水透湿性素材のメリット

GORE-TEXを始めとした防水透湿性素材のメリットとして「汗冷えしにくい」という点があげられることが多いのですが、サイクリングで汗冷えは休憩のときかヒルクラ後(特に下り)くらいじゃないかな。実際のところ多くの人・多くのシチュエーションでは汗冷えより、以下の方がメリットとして大きいと思います。

まずは、高い防風・防水力により保温効率がいい、ということ。
GORE-TEX自体に保温力はないとされていますが、外の冷気をシャットアウトすれば冷えにくくなるので、実態としては保温力が上がります。また保温レイヤーは雨や汗で濡れると保温力が落ちてしまいますが、それを防いでくれます。保温層を減らせるということでもあります。

もう1つが、運動時に汗をかきウェア内の温度・湿度が上がっても快適性を損なわず・オーバーヒートを防いでくれること。汗冷え防止と同じロジックですが、そういうシチュエーションでなくても十分メリットが享受できるということです。

快適に過ごせる気温帯や運動量の幅が広い、調整の小物を減らせるということになります。

 

GORE-TEXの2つの意味

私はGORE-TEXのウェア、と言ったときに2つの意味があると思っています。

素材としてのGORE-TEX

前述のとおり「GORE-TEXファブリクス(生地)」を用いたウェアということです。
GORE-TEXは薄い生地で、表地と裏地の間に挟み込まれることが一般的です。GORE-TEXの製品名に「3L」「2L」とついていることがありますが、これは3層または裏地を省略した2層構造であることを表しています。

概念としてのGORE-TEX

GORE-TEXの生地を使う場合、ゴア社のコンセプトに従い厳しい試験をパスしないと発売できません。擦れや引っ張り、引き裂きへの耐性、縫い目等から浸水しないか等々...結果として、表地や裏地、その貼り合せ方法、縫製、製品コンセプトにまで及ぶことになります。機械での試験だけではなく、人によるフィーリングの試験、フィールドに出ての実地試験もあるようです。

GORE-TEXのウェアは、他の防水透湿性素材のウェアより丈夫で経年劣化しないと言われていますが、生地が優れていること以上に、厳しい試験で製品のクオリティを担保してきたことによるものだと思っています。

 

GORE-TEX INFINIUM(GORE-TEX LABS)について

サイクルウェアはGORE-TEXではない

ここまで「GORE-TEX」について書いてきましたが、実はサイクルウェアに使われているのは「いわゆるGORE-TEX」ではありません。
GORE-TEX製品には、必ず黒い「GORE-TEX」タグが付いていますが、カステリ製品についているのは赤か白のタグではないでしょうか?ウェアに書いてあるのも「GORE WINDSTOPPER」か「GORE-TEX INFINIUM」だと思います(今後は「GORE-TEX LABS」になるかもしれません)
使われている素材が「GORE-TEXファブリクス(生地)」と異なるものなのかはわかりません。ただ、少なくとも概念としてのGORE-TEXではありません。

使っている方はわかるかと思いますが、脇や背面は通気のために他の素材になっているものが多く完全な防水ではありませんし、浸水防止の手当がされていないものもあります、止水ジッパーも使われていません。引き裂き耐性があるような表地には見えませんし、GORE-TEXのシェルのようなゴワゴワ感パリパリ感はなく、しなやかでストレッチする素材のはずです。

使われているのは「GORE-TEX」ではなく「GORE WINDSTOPPER」という生地。実は結構昔からあったようです。

GORE-TEX INFINIUM(GORE-TEX LABS)

厳しい試験により品質と信頼を経たGORE-TEXですが、それゆえ用途が限られてしまいますしクオリティ維持のため価格も上がってしまいます。
そこで2018年に登場したのが「GORE-TEX INFINIUM」シリーズ。素材自体は「GORE-TEX」と同じく防水透湿性素材ですが、完全な防水性までは求めずカジュアルウェアにも使えるよう基準を緩くした、といったところでしょうか。「GORE-TEX」の地盤が十分に築けたと判断し、広範囲に提供していこうと舵を切ったんだと思います。
ここで「GORE WINDSTOPPER」も、GORE-TEX INFINIUMシリーズに組み込まれました。こんなわかりにくい経緯もあって、いろんなところで「GORE-TEX」のウェアと言われているわけです。
※私は勝手に「カジュアルGORE」とか「白GORE」(タグが白い)とか呼んでいます
※「GORE-TEX INFINIUM」は「GORE-TEX LABS」に名前が変わるようです

まとめ

長々と書いてきましたが、
・GORE-TEXと同じように防水透湿性素材だが、GORE-TEXほどの防水・防風性能はない
・GORE-TEXと違いストレッチして肌触りがいい
というわけで、サイクルウェアに適した素材だと思ってもらえばいいです。

 

ジャケット、ビブタイツ

ここからは、購入したウェアの簡単なレビューになります。まだ使っていないものは、実際に使ってから追記します。

GABBA (ガバ)

カステリのこの手のウェアを一気に有名にしたガバ、サポート外のプロ選手がロゴをマジックで塗りつぶして使ったエピソードはあまりにも有名(それを受けて、マジックとセット販売した悪ノリもw)

秋冬ジャージなのにどうして半袖??と思っていましたが使ってみて納得。
寒さはある程度まではアームウォーマーでしのげますし、日が昇って暖かくなれば外して腕を外気にさらすことで対応できる。
雨でも腕が濡れるのなんて気になりませんしね。

防風性が高いので秋の冷たい風ならこれで十分。走り始めて汗をかきだすと、サイド&背面から蒸れが逃げていくのがわかります。スノーウェアではあり得ないレベルでわかりやすく蒸れが逃げていきます。
GORE-TEXは内外の湿度差で蒸れを押し出すわけですが、それに加えてサイド等から入った風が押し出しているように感じました。ソフトシェル素材や一部の防止透湿性素材はあえて風を通すことで、湿度差がなくても透湿するのですが同じ効果かもしれません。
雨の中でも数回使う機会がありましたが、雨水が入ってこないので寒く感じにくく流石だと思いました。
ただ1回、雨上がりで湿度が高いときは結構蒸れを感じました。この時の気温は17~20℃。湿度が低ければ25℃近くまで無理なく使えますが、湿度が高いと20℃手前からちょっと不快になってきますね。

あと首回りが少し温かく、それでいて暖かくても気にならない素材になっているのが嬉しいところ。

・公式HPの対応温度帯(現行モデル):9~16℃
・使ってみての対応温度帯:10~18℃、アンダー等で調整すれば下は5℃くらいまで、上は湿度が高くなければ25℃くらいまで大丈夫

 

PERFETTO ROS LONG SLEEVE (ペルフェット・ロス・ロングスリーブ)

名前は違いますが、実態はGABBAのロングスリーブ。商標回りの事情でオリジナルの半袖以外は「PERFETTO」という名称なそうな。
基本的にはGABBAが長袖になっただけですが、シェイプはGABBAより少しタイト(現行モデルは少しルーズになったらしい)

防風性や蒸れの逃げっぷりはGABBAと同じ、袖の長さ以外の違いは両サイドにベンチレーションがあるくらいでしょうか。暑くなってきたときは、これを開放して冷気を入れて調整することができます。
保温アンダーや腹巻、カイロ等を入れることで、一応氷点下まで対応することができます。でも、0℃帯まで下がるときは、さすがにそれ用のウェアが欲しいですね。

・公式HPの対応温度帯:4~14℃
・使ってみての対応温度帯:7~17℃(薄手アンダー)、保温アンダーや腹巻・カイロ等を入れれば下は-2℃くらいまで耐えられる、上は湿度が高くなければ22~23℃くらいまで大丈夫

 

Explore Velocissimo BIBTIGHT (イクスプロア・ベロチッシモ・ビブタイツ)

サーモフレックスを使った秋冬ビブタイツ。
手元に届いてみたときは、脚が短くサイズ間違いかと思ったのですが、めちゃくちゃ伸びますね。
これまで使っていたパールのブライト・ビブは横には伸びるけど、縦には伸びず脚が足りていなかったのですが、これは縦にも伸びてくれて足首上まで覆ってくれました。
脚も動かしやすく、パッドの質感も上々。
薄さのわりに保温力も高く、公式の対応温度帯は6℃までですが、氷点下でも耐えられました。が、0℃くらいまでにしたいですね。

・公式HPの対応温度帯:6~12℃
・使ってみての対応温度帯:0~20℃ ※使用回数が少なく、上限はなんとなくの感触

カステリの保温素材は、サーモフレックスとナノフレックスの2つがありますが、どう違うんだろう(撥水の有無くらい?)

 

グローブ、ウォーマー

MORTIROLO GLOVE (モルティローロ・グローブ)

初カステリグローブ、ジッパーでガバっと大きく開いて装着しやすいのが特徴。
正直あまり期待していなかったのですが、これいいです。シフト操作のやりやすさとクッション性ではPERFETTグローブに軍配が上がりますが、装着のしやすさに加えて対応できる温度帯が広い。
公式では7~15℃とありますが、0℃前後でも朝方だけなら耐えられるレベル。上は15℃くらいまでなら暑苦しくは感じない。

・公式HPの対応温度帯:7~15℃
・使ってみての対応温度帯:2~15℃、メッシュインナー・カイロで-2℃くらいまで対応可

 

PERFETTO MAX GLOVE (ペルフェット・マックス・グローブ)

PERFETTOグローブで最も低温に対応するモデル。
厳冬期対応のグローブとしては、圧倒的に薄くてシフト操作がしやすい。
縫い目のアタリも気になりにくいし、手全体を包み込んでいる感じで心地いい。パッドが手のひらについているのだけど、パッド部以外もグローブ全体で少しずつ衝撃を吸収してくれる感じがある。

公式では0~10℃対応になっていますが、ギリギリ0℃対応といった感じですね。
0℃くらいになると徐々に指先がかじかんでくるので、朝だけならともかくライド中ずっと0℃前後だと厳しいかもしれません。

ちなみにタッチパネル対応と言うことになっているけど、ほぼ反応しない。

・公式HPの対応温度帯:0~10℃
・使ってみての対応温度帯:2~12℃、メッシュインナー・カイロで-2℃くらいまで対応可

 

PERFETTO RoS GLOVE (ペルフェット・ロス・グローブ)

見た目はMAXとほぼ同じで、少し薄手にした感じ。
未使用なので、実際に使ってから追記します。

・公式HPの対応温度帯:4~14℃
・使ってみての対応温度帯:不明

 

NANO FLEX ARMWARMER (ナノフレックス・アーム・ウォーマー)

未使用なので、実際に使ってから追記します。

 

総評と物欲と

これまで秋は半袖ジャージか裏起毛の長袖ジャージ、冬は固い生地のウィンドブレークジャケットでしのいできましたが、GABBA/PERFETTOの購入で全く出番がなくなってしまいました。
GABBA/PERFETTOはそれ自体が防風素材なので、基本的にウィンドブレーカーがいらなくなるし、蒸れを逃がしてくれるので日が昇って気温が上がっても暑くなりにくい。
素材も肌触りがよくてよく伸びてくれるし、首回りの肌さわりがいいのも嬉しい。トータルで購入して大正解だったと思います。

ただ、PERFET LSで0℃帯は「耐えられないことはない」程度なので、保温力の高いALPHA DOPPIO ROSが欲しくなっています。

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