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ZMP(Zwift MMP Point)とそれを使ったレースについて

2021/02/18

昨年公開した脚質判定ツールにZMPとそれによる体重調整機能を追加したところ、思った以上の反響があり大きなイベントでも使われることに(汗;

Miyatakeさんが二足先に記事にしてくれていますが、中の人としても取り上げてみようと思います。

★脚質(&ZMP)判定ツールは、こちら

ZMP誕生の経緯

発端はEMU RACEでのカテゴリ詐欺に苦言を呈するツイートでした。
それがZWIFTレースのカテゴリに対する不満~それなりに乗り込んでいる日本人は4倍前後=A/B境界に集まるけどAになると勝負できない(悲
じゃあさ、そういう人を集めてレースすればいいじゃない!という流れに。

そんな中で思ったのが、脚質判定ツールの「総合力」が使えないかなということ。
(ZMP実装に伴い現在は削除)

総合力は、各時間帯のWattsとPWRの偏差値を単に合算したものなので、体重がある人やスプリント力のある人が実態より強く評価されてしまう。
5秒帯のスプリントは最後まで集団に残れなければ宝の持ち腐れなので、どうしても長時間パワーの方が重要ですし、Zwiftの仕様として低出力=長時間帯ほどWattsの価値は小さくPWRが効くようになります。
そんなわけで、各時間帯のWattsとPWRにそれぞれ重みづけをしてやる必要があります。

ZWIFT POWERさんが一瞬出していたこれを見て、以前から試行していたものの納得いく形にまとめられていなかった。

今回の流れの中で、ZTB(体重調整してのチーム戦)の開催経験が豊富なあーくさんやZwift博士のMGWさんのアドバイスを頂いて生まれたのがZMP(Zwift MMP Point)です。

もともとZTBのためのNICOメンバーのMMP収集から始まり、複数のレース参加者のデータをかき集めて作った脚質判定ツール。
サンプルは少なく偏りがあるのは確かですが、少なくともFTPだけを基準にしたカテゴリ分けや体重調整よりは遥かに脚力を表せているはず。

 

ZMPの使い方

ZMP=強さではありません。
いわゆるマッチの本数、インターバル耐性はパワーデータに表われませんし、脚の温存や位置取り、コースに合わせた上げ下げやスプリントの仕掛けどころetc.といったZWIFTテクニックもレースの勝敗には大きく効いてきます。
ZMPを利用することでと、絶対的なパワー以外の強さや脚質、コースとの相性を生かした戦いを多くの人が楽しめるようになると思います。
S級妖怪な強い人以外もレースを楽しみやすくなるということです
S級妖怪な強い人以外もレースを楽しみやすくなるということです
S級妖怪な強い人以外もレースを楽しみやすくなるということです(タイセツナコトナノデ

具体的な使い方としては、こんなところでしょうか。
・脚力の近い人を集めたミートアップレース
・体重調整してのミートアップレースやチーム戦

ここからはこの2つに触れていこうと思います。

 

脚力の近い人を集めたレース

今回の流れで、猫天さんのミートアップに合流する形で始まった猫狭間の戦いがコレ。

主なルールはこんなところ

カテゴリは3つ
 松:Aカテ下位(脚質によってはBカテ上位)
 竹:A/B境界
 梅:~Bカテ中位

・パレードランを行い6分後・8分後・10分後とカテゴリ毎に時差スタート
・他カテゴリに混ざるのは禁止
・ミートアップの青帯ではなくゴールゲートがゴール

現時点で登録は60名程度、毎回の参戦者は各カテゴリ10~20名弱でしょうか。

公式レースの感覚からすれば、10~20名は少なくね?
と思うかもしれませんが、脚力が近いと7~8人いれば十分にロードレースらしい戦いが楽しめます。

Zwiftレースではスタートから数分間激しいセレクションがかかり、一部のトップライダー以外は必死にしがみつく我慢比べな展開がお約束で、ロードレースらしい少人数の逃げが形成されることはレア(異常パワー除く)

しかし、脚力が近いメンバーが集まるとスタートはそこまで激しくなく、様子見あり逃げを打つ人もありで、山岳ステージでなければ終盤まで8割程がメイン集団に残っています。
少人数の逃げが形成されることも多く、それを追うメイン集団はタイム差を見ながら泳がせ中盤にそれを吸収するというロードレースらしい展開や、有力スプリンターへのマークや駆け引きを多くの参加者が楽しむことが出来ます。

強度が下がるかというとそんなことはありません(たぶん
誰も千切れないから緩められない、頑張ればついていけるから頑張るしかない、これはこれで違うキツさ。
でも終盤まで勝敗の外に追いやられないっていうのは良いものです。

ちなみに、私が所属する竹カテゴリでは7戦してすべて違う選手が勝利という拮抗ぶり。
平坦コースではスプリンターが、アップダウンの多いインターバル系コースではパンチャー~軽量スプリンター、山岳コースではクライマー~軽量パンチャーの選手が勝利と、脚質を反映した結果になっています。


ミートアップ時代のEMUもそうでしたが、固定メンバーでレースを繰り返していると、お互いに相手の脚質や特徴が分かってきてライバル意識が芽生えます。
「このコースなら彼は要チェックや!」「ここで仕掛けるだろうからマークしないと」「この逃げは泳がせていい」「ここで仕掛ければ一緒に逃げられるんじゃないか」...
こういう思惑や駆け引きが生まれるのが本当に面白い

 

体重調整してのレースやチーム戦

GROWTACさんの企画「INDOOR10」と連動して開催されることになった「ICOL=」ZMPを同じ値になるよう体重調整してのチーム戦がコレ

これまでも、FTPベースで体重調整してのレースとしてメゾンメゾン(とぅーらさん主催)が開催されたことがありますし、身内での体重調整レースは珍しくないと思います。
EMUブログで公開されている「例のEXCEL」では各時間帯のPWRを元に体重調整できるので、それを使ったチーム戦も開催されていました。

自分もこういったものに参加させてもらっていたのですが、やっぱり調整しても「強い人が強い」「短時間型の人が強い」んですよね。

ZMPでは平坦やスプリントでは大きく効いてくるWattsも組み入れ、平坦や山岳・長い登りのあるド山岳とコースによる調整機能も付けたので、上のような問題も少しは改善され…ているといいなあ。
Web化したことで手軽に体重調整できるようになったのは間違いないので、気軽に使っていただければ嬉しく思います。

「ICOL=」には自分も参加させていただきますが、参加チームは15総勢70名弱とかなりの規模。
こういうユーザイベントがこれまで以上に盛り上がっていって欲しいものです。

 

今後の更新について

最後に脚質(&ZMP)判定ツールで考えていることでも

今の脚質判定ツールは、日本人のデータを元に作っているので平均体重が62.5kgとかなり低く体の大きな方は、ルーラー・TTスペシャリスト・スプリンターに判定されてしまいます(まあ間違ってはいませんが
全ZWIFTERの平均体重は75kg程度のはずなので、グローバル版を作ってみようと考えています。

小さなアップデートしては、ZMP算出の微調整を考えています。
たいして変わるわけではありませんが、イベントで使われる場合等は教えていただければ時期を調整しますのでご相談ください。

また、前々から履歴保存機能も考え中。
対応するとしてもローカルに保存するのですが「データ収集している!」と思って嫌がる人も出そうなので迷う。
ご意見などあればコメントなりTwitterでお願いします。

あと、こんな感じでコース毎の特徴や脚質との相性を可視化したツールを考えていたり

なんか今年の冬はコロナでスキーに行かないからか、オモチャばっか作ってるな。。。

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